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11月29日
個人的な好みから映画を見るならばアメリカ映画、と決めている。
邦画の大作といわれるものを僕は見たことがないし、名監督の作品だといわれてもあまりピンと来ない。
フランス映画はいかに明るそうな「太陽がいっぱい」であっても内容は暗い部分が多すぎて見る機会はあまりない。
どちらかといえばアメリカ映画の中に出てくる独特の言い回しと洒落、それがすべて伏線として計算されつくしたものだと考えると面白さがつのってくるわけだ。・・・と、何も映画評論家の真似事をしようと思ったわけでは決して、ない。
唯一邦画でビデオまで借りて見るようなものが最近出てきた、ということを書きたかったわけです。
しかも土曜日は必ずそれを借りて夜中に見る、というまさにアニメオタクと肩を並べちゃうような、そういう行動パターンを取り出していることにむしろ充実感を感じているところもある。

その名は「真・雀鬼」なのです。
以前クスリに嵌ったところを逮捕されて有名になった清水健太郎氏が演じている作品なのだが、これはなかなか嵌ってしまう映画である。
カメラワークが非常によいのと、当時1970年代の光と影がちりばめられた作品だと、僕は思っている。
ただ、麻雀を知らなければただのくら〜い、前時代的なものにしか映らないのであろうが、知っているものにとっては非常に面白いわけだ。

で、今日はオフィスに来る前にビデオ屋さんに立ち寄ったところ、新作の「真・雀鬼17」があったので思わず借りてしまった。
今日の仕事はここで終え、これから自宅でワインでも飲みながらじっくりと作品を楽しもうと思っている。
個人的には「松山鷹志」氏の悪役ぶりがとても気に入っている。

話しの出だしからは到底考えられないようなオチだって?
そーゆーところはあまり気にしないで書いただけです、休日はオタクになっちゃうのもまたいい。

休日特別版でした。

11月28日
オフィスから深夜の交通量が少ない場合には自宅駐車場までショートカットをすっ飛ばして約15分。毎日この繰り返しである。
昨夜も真夜中に駐車場を降りてそこから自宅マンションに向かって歩いていたのだが、前から枯葉が風に吹かれてかさかさ音を立てながらゆっくりこちらに向かってくる。
立ち止まってそれを見ていると、まるで酔っ払いのオッサンが一人で千鳥足でこちらに向かって歩いてくるような、そういう錯覚に陥ってしまった。
冬の訪れを感じさせるようなわびしさ・・・
ではなく、最近、そういう酔っ払いのオッサン見かけなくなったな〜と、ふとそう考えてしまったわけでございますよ。

11月27日
T女史は大阪でゴスペルに週一度参加している。
もともと音楽系出身であるため身体は小さいが声はでかい。まあ、そういうわけでゴスペルは相性がいいわけだ。
昨日、大阪のRホテルで阪神タイガースの優勝祝賀会が催された。
まあ、それはそれでよいのだが、どういうわけか彼女が属しているゴスペル集団がその祝賀会に出て「六甲おろし」を歌うということになったそうで、ここ数日はオフィスのあるリクルートビル全体に「六甲おろし」の3番までが響き渡っていた。

それは嘘です。

「いや〜、やっぱりあれよね〜、星野監督はすごい!」
「六甲おろし」と共にオフィスにやってきたT女史は開口一番そう言った。
「あれだけたくさんの人がいるのに、あの人の周りはすごいオーラが漂ってたよ、やっぱり、ちがうわぁ〜〜」
「今度の岡田監督は?」
「あ。あれ?う〜〜〜ん、まあトモダチ、って感覚かな?。やっぱり、ちがうわぁ〜〜」
スケールの違いというものはあるものだ。ましてや並んでみるとその差というものが如実に出てしまうものだと思う。

「どうしたんだよ?」
少し不機嫌そうなカオナシ君に向かってそう言った。仕事が思うようにはかどらないために少しばかり苛立っているようだ。
「そんなことでぼやいててどうするんだよ。進まないならその原因を分析してさ、問題点つぶしていかないと・・・」
ボスたるや彼らを大きく包み込むことができる包容力を持たなければいけない。
星野監督もそうだ!
そう思いつつ彼を包み込むように、ではなく丸め込むように諭す。

オフィスにかかってくる電話に出る。
「はい、はい、よ〜〜くわかりました、はい」
不愉快な内容の電話に内心いらつきながら、気がつくと電話のコードをグルグルに手でかき回している自分に気がついた。
スケールがまだまだ小さい。

11月26
北野坂を歩いているときに妙な店を見つけた。
「ダンスバー」というものである。
知っている人は知っているのかもしれないが、僕にとってははどうも腑に落ちないのである。
店内の写真がその店の前に掲げてあるのだが、その内容は次のような感じだった。
バーゆえにカウンターはある。ただ、その後には磨きがかかった床が広がっている。どちらかといえば明るく健康的なバー・・そういう空間の写真だった。
ダンスといってもいろいろあり、社交ダンス、クラブ(昔はディスコといっていたが・・・)のようなハウスバンドがいるところでのダンス・・・、それにチークダンスというヤツもある。
通りがかりの一瞬だったので詳細をほとんど見ていないのだが、あとになって気になってきた。
飲んでる後ろで社交ダンスをバタバタ始められるととっても落ち着かないし、バーとは言えないような気がする。ダンスの後でカウンターで冷たいビールかカクテルを飲み、
あ〜いい汗かいちゃったな・・・というのも、それじゃあバーじゃないじゃん、という気もする。
ブラックライトに照らされて白いシャツが浮かび上がってるところで飲むストレートのスコッチウィスキー・・似合わない。ましてや後ろでチークなどを踊られた日にゃあ・・・・。
一度そこで飲んでみたい気もする、怖いもの見たさというやつで。

11月19日
「いや〜、降ってきましたね・・・昨日はあれだけ天気がよかったのに、どうなっちゃってるんだ・・・」
廃校となった学校のグラウンドでゼネコンの所長が恨めしそうな顔をして空を見上げた。
朝一から車で3時間半、迷いに迷ってやっとたどり着いた和歌山県の南部の海岸沿いにある老人施設の現場でのことである。
地盤の強さを確認する「平板載荷試験」というものの立会いのために現場に来たというわけだ。地盤の試験だけに雨に晒されるとそれができなくなってしまい日が延びることになるからゼネコンとしては早く済ませてしまいたいのはわかる。
「僕って雨男!」
なんてことは冗談でも言えない雰囲気であるからして
「まあ、早く済ませてしまいましょう。砂地盤だから大丈夫でしょうしね・・・」。

過疎化が激しい和歌山の村の中の学校はすでにもう数10年前に廃校になってそのままにしてあった。そこへ新たな事業として老人施設をという運びになったらしい。
本当は原発ができる予定だったらしいのだが、頓挫したとのことだ。
あ〜よかった。

周りには何もなく、一軒の民宿がぽつんとあるだけという鄙びた場所にあるだけに廃校の一部を現場事務所にしているのだが、なんとなく不気味な感じがする。
「こんなところ夜作業するのは怖いでしょうねぇ。」
尋ねてみた。
「こわいなんてもんじゃないですよ。夜は民宿にこもったまんま」

竣工のあかつきには施設の2階の部屋からは太平洋の海が間近に見えるということだけど、こういうところで人生の最後を過ごすということに対しては個人的には寂しさをおぼえる。
で、現場で立ちあってる間に土砂降りになり、その土砂降りは現場が終わっても続き、高速道路ではミルク色の霧の中を走り続け、やっとオフィスに戻ってきたのが午後5時をまわっていた。

「もう土砂降りで参っちゃったよ、こっちもかなり雨降ったの?」
「全然、ちょっとポツっときたかもしれないけどね。」

11月18日
日曜の夜「マトリックス リボリューション」を見に行ったのだが、さほど面白くは感じなかったのでうらじゅんに書くまでもないと思ったのだが、最近そういうふうにすっかり不精してうらじゅんに見向きもしていなかったので各方面からお叱りをいただいている。
「せっかくHPが綺麗に更新されたのに、うらじゅんはいつまでたっても変わらないじゃないか!」とか「やっぱりもうそろそろ終わりかな・・・」とかね。
時間があってもどうも今ひとつ話題がないというときもあるということです。
まあ、気まぐれなものなので、そのあたりはひとつ・・・・。

カオナシ君は今までの仕事がたたってか、「慢性疲労症候群」という病にかかり、最近は少しばかり休養をさせている。
彼から週末にか細い声で電話がかかってきた時は、本当に今までのことを後悔した。
無理させちゃったんだな・・・、スタッフは会社にとっては財産なのに、それほどまでに彼を酷使していたとは、いや、彼だけじゃない、今ここにいる他のメンバーも次はきっとオレの番じゃないかと疑心暗鬼になっているのでは・・
いろんなことを考えてしまった。
週末彼を見舞って病院に僕も一緒に行くべきだと思い彼に再び電話をすると
「今日は3時までですから・・・」
か細い声でそう答えた。
「じゃあ来週の月曜日に俺も一緒に病院についていってやるからさ、それまでゆっくり休むんだぜ」
最大限の思いやりの声をかけて電話を切った。
週が明けたらオレもいく!強い決意と共に週末を迎え、その夜。

「なんなんだよ〜、フナコシ君!この仕事終わってね〜じゃね〜か!どうなってんだよ、オイ!」

目が覚めた途端、自宅マンションで寝込んでやせ細っている カオナシ君の姿が浮かんできた。

11月9日
マンションのお隣に住んでいるイギリス人のH女史が11月いっぱいで帰国することになり、そのフェアウェルパーティーを開くことになった。
バルコニーでバーベキューパーティーを、ということで僕はバーベキューの火をつける役目をおおせつかった。まあ、それくらいしか不器用な僕にはできないわけで、料理とはまた別のところでしか役に立たないことから自然とそうなったわけだ。
WHOにお勤めということなので20〜30人ほどの人が来るということであり、しかもほとんどの人が日本語を話せないということを聞いていたので火をつけたら自宅に引っ込んでゆっくりと借りてきたビデオでも見ようと考えていた。
炭にジェル状の着火剤を塗りまくって火をつける・・この日は少し天気が悪いのでなかなか火のつき具合が悪い。
悪戦苦闘しているところへお客さんはどんどんやって来る。
「ハ〜イ、ハウア〜ユウ〜〜」
いろんな人がやってきて声をかけてくれる。
「今日は頼んだよ」
見知らぬ男性から声をかけられる。どうも、バーベキュー職人と間違えられてるみたいだ。
ま、いいや、火がついたらビールでもやりながらビデオでも・・・と思いつつ・・火がつかない。

「もうお客さんが来てるからどんどん焼いていって頂戴ね・・」
H女史から催促をされる。彼女はすでに朝から海老やホタテ、それにラム等々に味付けをし、テーブルの上に順序良くそれを置いている。
後は僕がコンロに火をつけるだけなのだが、まだつかないし火も弱い。
だからぁ、こういう役目は苦手なんだよね〜・・なんで日曜日にこんなに焦って火をつけないといけないんだよう〜〜・・心の中ではしきりに後悔をしているがすでに遅しでみるみるお客さんが増えてきている。
もういっか、これでいいや、これで網の上に乗っけてれば、何とか焼けるだろう・・もう適当に海老を置いていく。
「お国柄で、お肉を食べない人もいるので先に海鮮類からね」注文がつく。
「オ〜ケ〜」適当に答えながら、気持ちは炭の焼け具合に行っている。
「大変そうだから僕も手伝ってあげましょうね」
インド系かパキスタン系の国籍であろうと思われる男性がそういいながら海老に手をつける。
「まだ焼けてないよそれ」
「おっと、そうか、じゃあもう少し待ってみよう」
インド系民族衣装を身にまとった高貴な感じの女性はバルコニーで椅子に座っているのだが、僕のほうには一切視線を合わさないでいる。
「ふん、早く焼きなさいよ、なにもたもたしてるのよ〜このしもべが〜〜」なんて目をしているわけだからなおさら辛くなってくる。

火がつきだしてきたので、もうどんどん焼いていく。海老もすでに焦げかかっているが、もうお構い無しだ。ホタテに鶏肉、牛肉に、ラムと、もうやけになって焼いていく。
決してシャレじゃあないので・・・。
先ほどのインド系男性は箸でどんどん取っていく。
「そこはまだ!こっちが食べられるよ」
「お〜〜、わかった。これは何?」
「これはキノコ・・う〜〜ん、マッシュルームの親戚だと思ってもらえばいいよ」
「お〜〜、わかった」
「大変ですね、これ食べながらでも・・」そういってお皿にいろいろ入れてくれる方もいる。ワインでもと、差し入れもしてくれる。
こっちは慣れないもんだから火でやけどをしながら、不器用な手つきで網の上にいろいろ乗っけては生焼けっぽくてもどんどんお皿に放り込んでパーティーを楽しんでいる人たちにそれらを提供していく。ビールでビデオどころじゃあないぜ、こりゃあ〜。

ふい〜〜やっと全部処理したぜ。
そう思ったときは会場となっている室内のリビングでは、もうすでに焼いたものは食べつくされ、H女史の挨拶になっていた。
「今日は皆さんどうもありがとう。・・・名シェフのジュニアさんにはとても感謝です。・・」
あちこちから拍手が沸く。
おいおい、とんでもないぜ、僕はただ焼いていただけなのに、しかも不器用にね。
「今日は素晴らしかったよ。」
僕に握手を求めて帰っていく人もいた。
アジツケハHジョシガヤッテ、ボクハタダヤイテイタダケナンデスヨ・・・。
だけど、自分が造った料理をいろんな人に楽しんでもらえるという料理人の醍醐味を少し味わったような気がした。
こういうのも確かに、いい・・・だけど、僕にはこれから先も到底無理な話だとはわかってはいますがね。
「ジュンサンガヤイタノ?オ〜ノ〜、オナカノグアイガワルナッチャウヨ」
後から遅れてきたカナダ人のEさんは僕の顔を見てそう言った。

午後12時から始めたパーティーが終わったのは翌日になってからであった。

11月7日
ワイドショーなんかで最近の極悪非道な事件を放送したその後で出てくるCMで
「世界一安全な国、日本・・・」
X−JAPANのBGMと共に小泉さんがそう言って登場してくる。
あくまでこういうのはあさっての選挙用のCMとはわかっちゃいるけれどそのギャップが大きすぎると思う。現実との差が大きいということだ。
何も小泉さんだけに限らず、各党党首がテレビで言っていることはあまりにも抽象的であり、今現在この世の中がどうなってるのか本当にわかってるのかなって思ってしまう。
まあ昔っからそうなんだろうけど政治家の言ってることっていうのはどうも、現実とずれているような気がしてならない。
「投票?いかね〜よ。どっちころんだってさ〜世の中かわんね〜じゃん」
投票日が近づいた日のニュースでは必ずこういう人がテレビに映っているわけだが、こういう風に与えられた義務を放棄している人をわざわざ映像として流しているマスコミにはいつもながら幻滅させられる。
ま、テレビ局も最優先は視聴率だろうから、かまっちゃいられないって、そんなこと・・・ ってことになるんだろうけど、今の日本は言ってることとやってることがまるで違うような気がする。どの業界でもね。

「はい、ジュンアソシエイツですが・・あ〜どうもお世話になっております。Fですか?今日はもう帰っちゃったんですよね、伝えておきますので・・すいませんね〜。はい・・・」
なんて電話しながら、目はパソコンに映し出されている、気分転換でやってる麻雀ゲームの牌を追っている。

言ってることとやってることは、違うものである。

11月1日
毎朝のことなのだが、駐車場に行くと車の屋根には判で押したような猫の足跡がついている。
屋外の駐車場なので、空気が乾燥する季節になると細かい砂がボディー全体にうっすらとかぶってしまうわけである。
そのうっすらとした愛車の頭のてっぺんに猫の足跡が。
羽のブラシで落とそうとするのだが足跡だけはくっきりと残ってしまう。
ま、いいかとそのまま車に乗ってオフィスに出かけていくのが日課になってしまったのだが、考えてみれば夏場は屋根に乗ろうものなら「アッチッチッチ・・・」となってしまうだろうから決してしないんだろうね。
秋も深まった朝、誰もいない駐車場の車の上の、それこそ猫の額くらいに狭い車の屋根の上で、のんびり高くなった空を眺めている猫がいる。
風情があっていい。

「じゃまなんだよう・・こんなところにくるまおかれてちゃあよ・・」
にゃ〜おう、となくのはそういうところなのかも。

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