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7月27日 「1リーグ制でどうやら決まりですかな?」 京都市北区の藁天神前から乗ったタクシーの中で運転手がそう言った。 「まあ、ああいう爺さん連中の考えることはわかんないよね。ほっとくしかないんじゃないですか。」 「オレに言わせりゃあ・・ナベツネはけしからん!」 言わせなくとも誰でもそうは思ってるよ・・・ 「じゃあ、ライブドアっていう企業があったじゃないですか、そこが他の球団を買収してですね、野茂が持っている球団も引っ張ってきてだよ、あといくつか無理やり球団作っちゃって、今のプロ野球に対抗すりゃあいいじゃないの?」 「監督も有名な人引っ張ってきて?」 「そうそう、まったく別の世界作っちゃうのね、プロレスみたいにさ」 「そらええかもしれんな〜」 「そっちに移動する球団も出てきたらなお面白いしさ、案外阪神なんか乗っちゃうかもね」 「それはどうですかな・・・・」 「ん?ところで阪急西院の駅までなんだけど今どこ走ってんの?」 「大阪ドームまでとちゃうんかいな?」 7月25日 高校の同窓会の幹事にいつの間にかなっており、その打合せをオフィスで行った。 高校3年時の頃は、理数系を選択していたこともあって男子クラスだった。 通常入試を目前にした理数系のクラスといえば、英数国のいずれかの教師が担当するものだと考えられるのだが、当時の担任は、某体育会系大学で剣道部の副主将を経験した剣道六段のおっかない先生、だった。 朝の授業前は、まあ野郎どもの集まりで成り立っているわけだから、当然ものすごく騒がしいのが当たり前だったのだが、ひとたびその先生が教室に姿を現した途端にシーンと水を打った静けさにうって変わるほど恐ろしかったという記憶がある。 その先生が、今度のもう少し詳しく書けば8月14日の同窓会に、来る。 当時のクラスの人数は42人であったが、出席者は僕を含んで7人だ。クレージー・キャッツの人数と同じである。 卒業時から約30年、老いても目の輝きはおそらく当時のままであろうその先生と7人の小人たち・・・・う〜〜ん、絵にならないし、やっぱり風邪でもひいたことにして2次会から顔を出すか、この仕事で忙しいさなかに悩ましい事柄である。 7月23日 「じゃあ、よろしくお願いいたします。」 深々と頭を下げ、新規のお客さんのオフィスを後にする。 気持ちも新たにまた営業に精を出している自分をいとおしく思いつつ、街並みのウィンドウに移った自分の姿を見ると、70を過ぎた爺さんがそこに映っていた・・・ という夢を見た。 おいおい、それが正夢だったらどうするのよ、うーむ、少し現実を考え直さないと実現しちゃうかも、と朝の出来事を思い出しながら、その日の夜中までデスクに向かって仕事をしている自分をいとおしく思いつつ、ふと横の鏡を見れば70過ぎの爺さんがそこにいた・・・ という夢を、デスクに足を上げて寝ていた時に見た。 たまには休養した方がいいかも。 7月22日 和歌山県の大阪府寄りに岩出町というところがあり、そこから24号線で奈良方面、つまり東に向かって車で走っていると、桃山という場所がある。 名のとおり桃の名産地で、24号線から南側の辺りにはいたるところに桃の直送地がある。 以前その辺りにある個人病院の耐震診断の現地調査に行ったときにたまたま見つけた場所である。そして、今日はこの暑さの中でのつらい作業を終えてからそこで桃を買って帰ろうと考えているわけだ。 朝から耐震診断のための現地調査及び資料採取を行っている。 現場へ行くまでにコンビニで買ったポカリスウェットをがぶ飲みして熱中症の対策を行ったので準備は万全である・・・とはいうものの、普段の運動不足のためにすぐにばててしまった。駐車場に少しばかりの影ができているが、そこにはI平がへばって座り込んでいる。 作業が終わったのは結局夕方の5時過ぎである。関係者に挨拶を終えて車に乗り込んだときに初めて解放感を味わった。 「向こうの高台に行ってみませんか。」車中でI平がそう言った。 運転をしながら左手を見ると、小高い山並みが見える。頭の中の地理感でいけばおそらく「かつらぎ山」じゃあないかと思いながら、 「行ってみるか。気分転換して行こうぜ」ハンドルを左へ切った。 切ったのが間違いだった。 急勾配の道路で方向転換しようとした途端に、ガリガリガリ・・・車の左前方でいやな音がした。 ナンバープレートが少しひん曲がったのと、その下辺りのプラスティック部分が。I平のことばを借りて言えば、「モケモケになってますよ」 つまり標準語で言えば、プラモデルのケバケバのようになっている、とそう言いたかったと思う。 「ひどい道に連れて行ってくれたもんだよなぁ・・このくそ暑い日によ〜」 エンジンをかけた時、相棒のJAGUAR SOVERIGN 4.0 がそう言ったように思えた。 対向車が1台も通らない急勾配の道を登っていくと、さすがに見晴らしはよかった。 桃畑の向こう側には川面が太陽に照らされ、田園地帯の緑とのコントラストが絶妙だし、またそういう時間帯でもある。 桃の木には丁寧に紙で一つづつ桃が包まれている。 「この辺で取っていきますか。」 悪魔のささやきかと思った。 誰もいない桃畑。I平でなくともここでもぎ取っていけば買う手間が省けるということは理解できる。 「もぎ取ってある程度車に放り込んじゃおうぜ。ひとつはここで食っていこう、美味しそうだもんね。」 で、その場で食べてるところを誰かに見つかって、 「神戸からわざわざ桃を立ち食いしに来たサルのような親子捕まる・・・」 なんて記事になっちゃったらまずいので、思いとどまって帰りにちゃ〜んとお店で買いましたもの、あたしたち。 7月17日 僕のデスクの横には扉がある。普段は使用しないのだが、避難時の時にはこの扉を開けて隣のオフィスから非常階段を使って逃げてくださいね、とそういう意味合いの扉である。 だから完全にパーティションで仕切られてお隣と区分されているというわけではなく、扉があるからこその隙間、がある。 お隣のオフィスは日本語学校でその扉の向こうには教室があり、時々そこで、「あ」「い」「う」・・・などと発音されている声が聞こえてくる。 つまり隙間があるからこそ音がよく伝わってくる、という風に工学的には判断できるわけである・・・そんなたいしたものじゃあないか。 午後7時頃、いきなりその扉の向こうでお祭りの太鼓や囃子の音がけたたましく鳴り出した。 これも授業なのだろうが、これじゃあ仕事にはならない。 「音がダイレクトに聞こえてくるんですけどぉ・・・」 防災センターに電話をするが、相手の声が太鼓に消されて聞こえない。 「・・・10分ほどで終わり・・ので・・・」 判ったような気がしたので電話を切った。 まあ、こういうのも夏の風物詩かもしれない。 暑さをこういう音で紛らわせてもらうのも一興かと思いながら、だから今日は仕事は終わります。 「まだですか?3連休もあったのにサボってたんじゃあないの?」 「いえ、笛と太鼓と囃子の音がうるさくってね・・・」 これじゃあいい訳きかないか。 7月16日 何かを食べながら、これを読んでいる方には非常に恐縮ではあるのですが、「臭い」の話を書きますので、ダメな場合は、この部分をすっ飛ばしてください。 「あたしは、自慢じゃあないけど腋臭の人はすぐわかっちゃうのよ、その臭いの根源がね。」 ランチ時にT女史はそう切り出した。 さっきまで橋リューがどうのこうのと言っていたのにすでに話題が変わっている、しかもランチ時に、ワキガ、だ。 「オレはいやだね、そんなの。この匂い(臭い)がどこから発してるっていうのがすぐにわかっちゃうなんて、そんな犬のような鼻は持ちたくないね。」 「もうね、その臭いの流れが目に見えるようにわかるのよ。」 「電車の中で前に座っているおっさんの足から発せられる酸味のある臭いがこちらにやってくる、そういうのもわかるの?」 「わたしには、わかる!」 アメリカのどこかの田舎の道路で立ちはだかって、遥か向こうからやってくる車を運転している女性の脇の臭いを嗅ぎつけるオバサン、そういうのがCMであったような気がするのだが、一瞬彼女の顔とそのオバサンの顔がダブってしまった。 インド人の場合、香辛料の効いたものを食べるという食生活なので、柑橘系のコロンをつけていたりする。 フランス人はその臭いそのものが当たり前という生活習慣の違いからむしろ臭いを撒き散らしている、そういうところは理解できる・・いや、理解はできないか。 まあ、それに比べると日本人の場合は、もともと体臭が少ない人種であり、最近は特に「臭い」というものにデリケートにできているので、防臭用のスプレーはコンビニに行けばすぐに手に入る。 ただそういう自然のものを無理やり消し去っていくのはどうなんだろうかとも思う。 汗、というものについてもいろんな種類があり、その汗の臭いで体調も判断できる、とT女史は断言している。 さらっとした汗は悪くはないが、粘液質の高いべとべとした汗は内臓に疾患がある等々。 でもそういう自分の中だけの秘密をちょっと汗をかいただけで他人にわかってしまう、というのは嫌なものでもある。 満員電車の中で更に駅で人が詰め込まれてくる。 目の前に、まるでシャワーを浴びたようにシャツがびっしょりとなったオッサンの背中が僕の胸の方に近づいてくる。そしてぴったりとくっついてしまい、彼の背中から搾り出される粘液質の汗を僕のシャツが吸い上げていく・・・。 その液体にほんのりとニンニクの香りが混ざっているのに気がついたとき、ああ、この男も精力をつけて仕事を頑張ろうと努力しているのだ、オレも負けてられないぜ・・・なんてことは思わないだろうな、きっと。 そういう臭いによる判断は、僕はいやだ。 7月14日 アスファルトから熱風が吹き上げてくる。 ベンディングマシーンでバランス飲料を買い、明治大学の比較的新しい建物の陰でそれを一気に体内へ流し込む。 昨日から東京へ来ているのだが、ハードスケジュールのため頭痛が少ししていた。 初台で設計事務所をやっている悪友のUが「飯でも食おうぜ!」というせっかくのお誘いを断りホテルで早々と眠り込んでしまった。 そのおかげか今日は比較的体調はいい、ように思えたのだがこの暑さで再び頭痛が襲ってきた。 体内から水分が蒸発しているこの状況をカロリーのあるものでできるだけ補いながら御茶ノ水を歩いた。 すべての予定を終えたので、JR御茶ノ水駅から明治大学を右手に見ながら、神保町まで歩き、いくつかの書店を覗いてみた。 このあたりは学生時代にもよく来た場所である。 懐かしさもあるのだが、この猛暑を避けるための空間として利用したと言ったほうが正確である。 南洋堂書店から書泉グランデをまわり、ここから地下鉄半蔵門線で東京駅まで行くか、来た道を引き返してJR御茶ノ水駅から見える丸の内線あたりの景色を見ながら東京駅へ行くか少し迷い、せっかくだから地上を歩いていくか、と決断したのが間違いだった。 明大裏の御茶ノ水小学校までは順調だったのだが、そこから山の上ホテルへの坂道に差し掛かったところでバテてしまった。 こういう日に長袖のシャツに上着はさすがにこたえる。 今度来るときはメッシュ地のノースリーブの白のスーツにしようと考えている・・・そんな格好で歩いていると余計に暑苦しいか。 7月11日 プロ野球はリーグを減らすとか、どことどこがくっついちゃうなどともめにもめている、ようだ。選手やファンの意見を無視しており、けしからん!などとおっしゃる方も多い。 球団を持ってる爺さん連中が道楽のためにやっており、気が変われば流れも変わるような、所詮そういうものなのではないだろうか、と僕は思っている。 ビジネスとしてやっているとはとても思えないもんね、この方々。 会社の経営でも同じことが言えると思う。 いろんな人の意見を聞き、それを尊重し最後にその企業のトップが決断を下す。 責任はもちろんそのトップが受け持つ。ビジネスとしては当たり前なことだと思う。 ライブドアの社長もあくまでビジネスとして参入しようとしたわけであろうが、門前払いを食らった。 ビジネスとしての考え方がまるっきり違う人種、ではなく年代のギャップはもはや埋めることができなくなって来ていると思う。 映画好きの僕はVシネマは見ることがあるが、邦画は全然見ない。 超大作、と言われてはいてもスケール感は小さいし、一番気に入らないことはエンディング、である。締まりのない終わり方をしてしまっているものが多く、後は自分で考えてごらん、などという思わせぶりなものが多いように思えるのだ。 今はどうか知らないがあまり変わっていないように思える。 邦画の場合は娯楽という範疇であり、アメリカ映画はビジネス、という範疇に属するものだと定義している人はけっこう多いし、僕もそう思う。 スケール感の違いもそういうところにあると思う。 となれば、これを先の野球に置き換えてみればどうか。 一人の頑固な男の言葉で方向性がどんどん変わっちゃうようなものは、それはスポーツではなく、娯楽、ではないだろうか。 だから大リーグを見ているとスケール感の大きさの違いを感じてしまう。 つきつめていけば、今の政治もそういう感じがする。決して娯楽、というわけではないのだが、スケール感は非常に小さい・・・・・ん、 そういえば、今日は参議院選挙の投票日だった。 この一票で今の状況を変えてみたい、そう思うので、これから行ってきます。 日曜日までオフィスで仕事をしている場合じゃない。 7月7日 踏みしめるたびにギィ〜〜ッと音を立てる階段を上がり、スティール製の扉を押し開くと、そこには古びてもう使われなくなってからずいぶんと年月を経た病室が広がっていた。 ベッドのシーツは長年陽が当たり続けていたのか全て黄ばんでカサカサな感じに干上がっている。 「あんまり写真撮らない方がいいぜ」 奥でデジカメを持ったI平がたたずんでいる。 「どうした?」 彼の後ろから部屋の中を覗くと、そこにはベッドとベッドの間のカーテンが引き裂かれたように垂れ下がっており、茶色のシミが転々と滲んでいる、そういうシーンが目に飛び込んできた。 思わず「クリムゾン・リバー」で、ジャン・レノが忍び込んでいった山小屋の中を思い出してしまった。 いやなに、ここはそういったフランスのアルプス地域ではない。 和歌山某市にある個人病院の現在使われていない病棟部分の耐震診断の依頼を受け、今日はその現地調査に来た、というわけだ。 ちょっと寒くはなったでしょ? どういう写真が写っているかなどは敢えて考えないようにしながら、仕事をした。 デジカメで撮っていたのが前歴があるI平だけにちょっと怖い気もするが、いや気にすまい・・・。 何事もなく24号線を和歌山市内方向へ向けてハンドルを握った。 信号で止まった途端に、エンジンが突然切れた。 キーを回すと、 プップププ〜〜〜 レンジがパーキングに入っていなかったのでそういう音はしたもののエンジンはまったくかからない。 レンジをPに戻し、一息入れてから再びキーを回す。 ブルルン〜〜という音とともにエンジンがかかる。 「また連れてきたんじゃね〜だろうな・・・」 「・・・」 相棒までがI平を乗せることを拒絶し始めたのかもしれない。 「ま、そのときはそのときだしな、神戸まで約3時間、楽しいドライブができそうだよ。」 サングラスを掛け、西日に向かって僕は再びハンドルを握った。 7月6日 ハンドルを持つと、ジュ〜〜〜ッという音と共に指や掌に熱さが突き抜ける感じがした。 日差しが当たる部分、つまりギアレバーの傍に置いてあったお気に入りのサングラスのツルの部分のゴムが溶けてなくなってしまっている、それともどこか涼しい場所を探して隠れてしまっているのか、片方のツルはフレームが剥き出しになってしまっているので、これも使えない。 そういう中、芦屋までドライブである。 ちょっと小粋なカフェでのんびりと一休みをしながら雑誌を見る、なんてことであれば神戸のお洒落な男性像として注目されるかもしれないが、実際は芦屋市役所でちょいと厄介な仕事の確認をしに行ったわけである。もちろんそれが終われば、また43号線を突っ切ってオフィスにとんぼ返りだ。 やはり気候は確実に変わってきている気がする。 日本は温帯な地域ではなく、亜熱帯、いやいや、もうこういう気候だと熱帯気候に属するのではないかと思ってしまう。 今日はネクタイを締めてオフィスへ来たのだが、やっぱり暑苦しさを感じてしまう。 こういう季節の場合は、風通しのよいシャツにパンツ、外出するときはその上に明るい感じのジャケットを羽織るっていうのがいいんじゃないかと、そう考えているわけです。 何もきっちりとネクタイを締めろ、とは言っておりませんので、スタッフの皆様、そういう意味ですのでね。 と、こう書いてしまうとおそらく明日からさっそくTシャツに短パン、サンダルで出勤するのスタッフも出てくるかも知れない。 あくまでさり気なくのお洒落さん、を意識してください、っつうことですので。 7月4日 昼からのバーベキューパーティーは予想通り翌日になろうとしている時間に終了した。 お隣のゴスペラ−氏と初めて対面したのだが、映画に出てきそうないい男である。 ロバータ・フラックの「やさしく歌って」をライブで歌ってもらったのだが、男の僕でも間近で聴いているとフラっとするような期待通りの素晴らしさだった。 ただ、彼は僕にではなく、僕の隣に立っていた女性の目を見ながら歌っていたのですがね。 ジェームス・ブラウンのようなイメージではなかったことだけは確かだ。 今回はお隣に引っ越してきたイタリヤで靴職人をするのが夢だ、というS君がお肉を焼く係りになってくれたので、僕はゆっくりとビールを飲み、ワインを飲み、そしてまたビールを飲むことができた。 たまにはこういう風にストレス解消しなくっちゃね。 7月1日 新宿中村屋の水ようかん(小倉)を食べながら書いている。 ほんのわずかながら息を抜く午後3時である。 新宿区初台という場所で、僕と同じように設計事務所を商っている悪友のUからのお中元なのだが、これは美味しい。 今日のような暑い日などはこういうものを食べるとなぜかほっとする・・・・という間もなくFAXからまたいろいろとややこしい内容が盛り込まれたものが吐き出されてくる。 また今日もこの気温と同じでストレス係数も上昇していくような気がする。 昨日、実は数日分のうらじゅんをまとめて書いてこっそりと更新をした、つもりだった。 「夏休みの絵日記のように、最終日にまとめて書いたことを思い出しました・・・」 というメールがさっそく入っていた。お気づきの方もおられたようだ。 朝電話をしている最中に急に黴臭い匂いが漂ってきた。 電話の話しに集中しながらも、同じ階にある生命保険会社のオバちゃん連中が暑さに負けて腐ってきたんじゃないか・・などと、その鼻をつくにおいを我慢しながら考えていた。 「ビル全体のエアコンの故障だったみたいね。すぐ直るみたいだよ。」 T女子がそう言ったものの頭の中ではカビの生えた生命保険のオバちゃんが蠢いている図がこびりついてしまっている。疲れているようだ。 学校の構造図をチェックしながら、病院の基本計画をやりながら、住宅のややっこしいい擁壁の計算をする。もちろん電話の対応をしながら、だ。 それが何とか形になったのが今、時計を見ると午前2時になっている。 長い一日が終わった。 なんだか蛇が自分の尻尾をくわえながらぐるぐる回っているような、そういう気がする。 |